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【円空逸話其之三】 木は行き先を知っていた? 中観音堂(羽島市) 中村観音堂(現・羽島市の中観音堂)の本尊を彫ろうとしていた円空さん、その材木を長良川上流で入手し「中村行」と書いて川に流しました。数日して材木は目的地付近に流れ着きましたが、そこには観音堂のある中村と、長良川を挟んだ対岸にも別の中村があったのです。最初に発見した対岸の中村の人たちが引き上げようとしても重くて少しも動きません。しかし、材木のことを聞いて遅れてやって来た観音堂がある中村の人たちが引き上げると、何事もなかったのように軽々と上がりました。それを見た対岸の中村の人々は、何も言わずに立ち去ったそうです。 |