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円空仏の代表な技法「鉈ばつり」 両面宿儺像(千光寺・高山市) 鉈を上から下に振り下ろす(はつる)ことによって、木材をダイナミックに刻み、力強い躍動感を与える円空円熟期の作風は「鉈ばつり」と呼ばれ、円空仏の代名詞ともなっています。これは、ある種の潔さと強い決断とスピードが要求される技法です。そんな円空独自の鉈彫りの妙技が立体的造形美として表現された代表作が、高山市・千光寺の両面宿儺像です。まるで燃えさかっているように逆立った髪型は、まさに鉈彫りによるもの。それに加えて、平ノミ、丸ノミ、角ノミなど、10種類ほどのノミを使って仕上げています。 |