円空仏のもう一つの顔、「木っ端仏」の代表作
荒子三十三観音群(名古屋市)
荒子観音寺の円空仏といえば千体仏と3メートルを超える二体の仁王像が有名です。昔、同寺の敷地内には蓮池という池があり、そこに檜の大木を浮かばせながら仁王像を彫り、その木片を使って千体仏をはじめとする大小の木像を彫ったとされています。こうした端材を使い簡易な造形を加えた仏像は「木っ端仏」と呼ばれ、円空の12万体造顕に貢献したと思われます。